猪目

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永遠に )

風呂に入ると、シャンプーが空になっていた。仕方なく、一回分に間に合う程度の水を足し、力一杯振ると、半透明のボトルには、小さなアブクで満たされた。
水で薄めたシャンプーは、べちゃべちゃで、シャンプーとは程遠い物だった。
永遠を誓った相手は、いびきをかきながらベットで眠っている。
赤子の産声が聞こえ、髪の毛が濡れながらも、赤子の元にかけつける。
「よしよ〜し、お母さんが、いるからね…お母さんが…、」
涙が溢れ出して、止まらなくなった。きっと、疲れているんだ。最初こそは、「二人でこの子を育てていこう!」と言ってくれた。でも、段々と私負担になっていった。手伝ってよ、と言うと、「俺働いてるし、休みの日くらい寝かせろ。」だと。はあ?こっちも働いとるわ。お前の給料じゃ家計が成り立たないからこっちも働いとるんだろうが。ご飯を作っても、飲み会、残業、食欲ない、美味しくない、などと文句を言って食べない。もう、いっそのこと殺してしまおうか。永遠に、眠っていればいい。
「朝太、ごめんね。お母さん、お父さんとお祖母ちゃんのところへ、行くね。」
私の顔に生暖かい血が飛び散った。息子が、泣き出す。なんで、なんでと呪文のように唱えている夫の背中に刃物を突き立てた。白いシャツに、赤い血が染みる。

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「で、動機はなんなんですか?息子がいるのに、なぜ父親を殺したんですか?」

「……夫が、鬱陶しかったからです。」
「ただ、それだけ?」
「はい、それだけ。」

11/1/2023, 12:30:55 PM