ライダーKです。

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題名『私は、愛されている。』

私は、愛されている。
新しい御洋服に、とろけるように甘い御褒美。
私は、酸素を吸い、二酸化炭素を吐き出すだけで愛されるのだ。褒められるのだ。

"生まれてきてくれて有難う"

そう、感謝をされるのだ。
なんてったって、今日は十七回目の七月十八日。
食べ慣れている御褒美を口で味わい、頬を溶かす。
母も、父も、祖母も、祖父も、皆にこにこ。にこにこ。
笑顔で、にこにこ。
私の生まれた日なのに、皆嬉しそうだ。

私の腕の中には、水玉で包装されたプレゼントが抱き締められている。中には、欲しかったアクセサリーが数個有り、目の中にキラリと飛び込んで来た。

『綺麗、!!!』

そう言い、早速首に掛けてみる。
可愛い。可愛いでしょ。
可愛い。可愛いわよ。流石ね。
母の、満悦な笑顔は私の心を良い意味でも悪い意味でも動かした。父も、こくり、こくりと頷いており祖父母も優しい声で『真希ちゃんは何でも似合うものね。』と微笑んでいた。

ねぇ。一つだけ気になる事が有るの。
誰にも、言えない。
きっと、口にすると私もああなっちゃうから。

何で、私はアクセサリーを身に付けてスカートを揺らして、御褒美をほうばるのに、何故、御姉ちゃんは雑巾の様な継ぎ接ぎの服を着て、塵混じりの御褒美を有難そうに食べるの、?

髪の毛はボサボサで、身体も痩せていて何で御姉ちゃんは酸素を吸う度に、二酸化炭素を吐き出す度に罰を受けるの、?

何で、私だけ愛されるの、?




2023.7.18 【私だけ】

7/18/2023, 4:01:44 PM