「向かい合わせ」
「今回のアルゴスの行動は、どうみる?」
「一応、まとめてみました。」
「流石、アカデミー主席卒業だな」
「また、からかわないで下さいよ。それより、見てください。時間は昨晩のセレーネ時間で、って何やってんですか!」
「いいから、続けて」
そう言いながら先輩は、オレのデスクの前に向かい合わせになる位置まで自分の椅子を持ってきて座った。
「いいですか、あの時、へーリオスの活動がかなり活発になっていて、あのまま活動が激しくなってたらガイアへの影響が出てしまうところでした。」
「それは、また自転に影響が出るとこだったってことか、ってそれだけか?」
「それだけって!もしそうなってたら1年後のガイアへの常駐監視員配属がまた延期になるとこだったんですよ!」
「そういば君、志願してたんだったな」
「そうです!」
「ワタシにあたるなよ」
「すいません、つい…」
「何にせよ大事には至らなかったんだ、後はミテラ様とお偉方が解析してくれるさ」
「先輩は、いつも呑気ですね」
「そう見せてるんだよ」
ホントこの人は知り合った頃から謎だらけの人だよ、この間の『レディア』って人の事もはぐらかされたまんまだもんな…
そういえば博士とも親しそうだったよな
今度聞いてみるか…
「おい、なにブツクサ言ってる?もうそろそろ時間だぞ、引き継ぎちゃんとやっとけよ」
「え!先輩、椅子は?」
「あと、よろしくな」
「ちょ、ちょっと!」
引き止める間もなく出て行ってしまった。
今にみてろ、絶対、あの人の謎を暴いて見せるぞ!
ピピピッ
「おはようございまーす」
ヤバ!
8/26/2022, 2:16:50 PM