クラゲの森

Open App

太陽の陰に寄り添う
私の彼氏を一言で表せば太陽のような彼氏だ。
ポジティブで性格が明るく、誰にでも分け隔てなく優しく接する彼。
そんな彼氏はみんなから羨ましがられていた。私も誇りに思うほどの彼だ。
そんな彼氏に甘えて、我儘をよく言っていた。
そんなある日、彼氏の家に泊まった。
「一緒に寝よう」と言っても彼氏は良いとは言ってくれず、私は少々不機嫌になっていた。
「おやすみ」
少し不機嫌になりながらおやすみを言うと彼が用意してくれたベットに入って眠りに落ちた。
突然、眠りから覚めた。
目を擦れば、時計は深夜の2時を指していた。
少し、喉が渇いたから水を飲もうとベットから立ち上がった。
階段を音を立てないようにゆっくり降りた。
「えっ?」
誰かが啜り泣く声が聞こえてきた。
階段の影からリビングを見てみると、彼氏が声を小さくして泣いている。
目を赤くしていて相当泣いていたことが分かる。
頭の中で彼氏の言葉を思い出した。
「どんな物にだって影はあるよ。どんなに明るくてもどんなに光っていてもね」
私は彼に近づき、そっと後ろから抱きしめた。
太陽のような彼にも影がある。私は、その影を隠す人間になりたいと抱きしめながら思った。

2/22/2024, 1:50:10 PM