「雪」
窓に降る雪を見て羨ましいと思った。
真っ白で何色に染っていないその雪が純粋無垢な子供の心のようで。
色が染る前に溶けて消えてしまう雪が羨ましく見えた。
この世界は色んな色で溢れていて
私には刺激が強すぎる。
濁った色、毒帯びた色、錆びた色、色んな色が混ざりすぎて何色かも分からない色
そんな色でこの世界は溢れている。
一見綺麗な色に見える人も、裏があったりする。
裏側は酷くドロドロしていて色も濁っていたりする。
そんな人を見ていると分からなくなる。
綺麗な色も、美しい色も、優しい色も、裏があるようなきがしてきて。
誰を信用すればいいか、誰の言葉を受け止めればいいか分からなくなる。
暴言、愚痴、蔑み、妬み、恨み、嫉妬、怒り
そういった、暗く重く汚い色がちらついて。
日常に当たり前のように潜むそれらが言っているようだった。
綺麗なんてないんだと。
綺麗なままじゃ生きられないと。
汚れた部分を綺麗で覆い隠して、繕っている。
だから羨ましいと思った。
隠さなくても、繕わなくても綺麗なまま消えていく雪が。
でも、同時に悲しいとも思った。
穢れを知らないまま消えていくのは確かに羨ましく思う、でも例え上辺だけだとしても温かさや優しさは確かに私の心を明るく灯してくれる。
汚れた色も、綺麗で上書きしてくれる。
最初のように綺麗にはならないけど、誰かの想いや優しさがその色には詰まっているから。
そうゆう温かさや、優しい色を知らないまま消えてしまうのは寂しいとも思った。
1/8/2023, 9:25:20 AM