NoName

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眠りにつく前に、どうしても確認してしまう。
あなたからのメッセージが届いていないかどうか、スマホの画面を見つめてしまう。さっきも確認したばかり。届いていないことなどわかっている。それでも、指が勝手に画面をタップしてしまうのだ。

今頃あなたは私のことなど忘れて、かわいい彼女と枕を並べて眠っているのだろう。
それでもいい。それでもいいから、二番目でいいから、そばにいたい。なんて……

「……バカ、だよね」

自分でもわかっている。都合のいい女だってことくらい。あなたは彼女が好きで、別れるつもりはない。それでも『好きだよ』と囁いてくれる声が優しくて、抱きしめてくれるその腕が温かくて、私は離れることができないのだ。

明かりを消し、いつものようにスマホを握りしめてベッドに入る。夜中でも、彼から連絡が来たらいつでも答えられるように。
『愛してる』と打ちたい気持ちを抑えて目を閉じる。
明日はあなたから連絡が来ますようにと願いながら。



11/2/2024, 12:47:02 PM