曖昧

Open App

探偵事務所をやっている先生は、いつも忙しなく仕事をしている。
猫探しとか不倫調査とか、或いは盗難、殺人事件とか。
先生の天才的な頭脳が世間に広く知れ渡っているおかげで、依頼の電話は鳴り止まない…とまでは行かなくとも、すごい探偵である事は事実だし、助手として誇りに思う。

「先生、珈琲です」
「ありがとう。」

温かいマグカップの縁に口づけ、珈琲を召し上がる先生。
事件が一つ解決した時のルーティーンみたいなものだ。
とは言えこれも束の間の休息で、年中無休24時間営業の探偵事務所では、ゆっくり映画を観ている暇も無い。
仕事をしている先生はかっこいいけれど、寂しさも感じてしまう。

「次はアメリカだっけ?また忙しくなるね」
「はい。先生」

先生はいつの間にか珈琲を飲み干していた。
また、探偵の仕事が始まる。

10/8/2024, 12:22:31 PM