ひなまつり
「3月3日、デートしよ?」
彼に誘われ、待ち合わせ場所に着くと
「じゃ、行こう」
何も言われぬまま、彼に手を引かれる。
「ねえ、どこに行くの?」
どこに連れて行かれるのか、何も知らないのは不安で。けれど、返って来た答えは
「着いてからのお楽しみ」
という言葉と笑顔だけ。
聞いても教えてくれないか。と、おとなしくついていくと、着いた先はホテルだった。
「え?ここ?」
にこにこしながら彼は頷く。ここに何をしに来たのか。疑問が浮かぶ中ホテルの中に入ると、彼に言われるままに着替えをさせられ、連れて行かれたのはレストラン。
「ここ…」
「ここは、大人のひなまつりビュッフェ会場だよ」
「大人のひなまつり?」
「そう。お姫様の姿で、ひなまつりメニューを堪能できるんだ」
「お姫様って…」
ガラじゃないなと苦笑を漏らすと
「俺にとって、キミは大切なお姫様だからね」
ふふっと微笑まれ、顔が熱くなるのを感じるのだった。
3/4/2026, 9:33:26 AM