『羅針盤』
天気は良好。
風も穏やか。
この様子だと唐突に来る嵐も無さそうだ。
1面海。ゆらゆらと揺れる船も心地よく感じる。
地図を取り出して目的地を確認する。
...うん。今どこにいてどこへ向かってるか全くわからない。
おそらく地図通りに行けてるはずだろうけど...
それでも不安しかない。
「船長!このまままっすぐですかぃ?」
舵手が大声で確認を取る。
右も左も海で島すら見えない。
それなのにわかるわけが無いだろ...
「あ、あぁ!まっすぐ進め!」
「おー!」船員の返事と共に船はまっすぐ進む。
船員にバレないように羅針盤を確認する。
赤い矢印は上を刺している。
北...とりあえず北に進めば問題ないだろう。
羅針盤を閉じて船の見晴らしのいい場所へと登る。
今はこの潮風を感じるだけでいいのかもしれない。
語り部シルヴァ
1/21/2025, 10:35:47 AM