俺たちの世代で終わりにしようと言い出したんだ。
友人の夫がそう言った。
「見てわかる通り、似てるよね。君を襲った奴らと俺」
「そう、だな」
いつの間にこの人、自分のことを「俺」と言う様になったんだろう。なんて関係ないことが頭をかすめる。
肩幅も広いし、何ヶ月も会っていなかったからか、随分と日焼けして逞しくなった。出会ったときは中学出たての小僧のようだったのに。
自分の所属管理をしているプランディショニング… 役職名が難しいので上司と呼んでいるのだが、そいつら厄介なんだよね…。無理な仕事!仕事じゃない用事!多すぎる。
そいつらと目の前の友人の夫は見た目が似ているのだ。
「従兄弟とかではないが、だいぶ近い」
「血縁関係なんだ?」
「確かめるすべがない」
「は?そんな高度な技術持ってるのに」
あの世界、だいぶ細分化したあとの世界だからね。
「調べるのがまぁ…逆に不利なんだ」
「へぇ。よくわからん」
「調べたことの履歴が残る。そして履歴を消した跡も残る」
「聞いてて怖いんだが…」
勝手にぞわっとしていると、目の前の旦那も頭を抱えている。今の世界とだいたい似たようなものか…。
私は要するにパトロンであるやつらを手放せない。なのに、影で私をフォローしているこの旦那の有能性たるや。いろんなシステムの隙間を縫って私を助けてくれてたんだな…
なんて、久しぶりにホテルのそばの森を歩いていたら、彼の事務所での会話を思い出した。友人達や友人のいた世界が懐かしい。
友人の旦那がいた時の安心感、ありがたかったな。
風に乗って
4/30/2026, 5:37:09 AM