ひそかな想い
部屋の灯りが滲む夜に、
そっと目を閉じ、
君の声を思い出す。
名前を呼ばれるたび、
只の幼馴染じゃない事を、
ひそかに願った。
並んで歩く帰り道。
ほんの少し肩が触れて、
それだけで心が震えた。
でもきっと。
この胸の痛みの意味を、
君は、知らないまま。
君を想うたび、
胸が締め付けられる。
こんなにも苦しいのなら、
いっそ、知らないままで、
いたかった。
いつの日か。
笑う顔が、優しさが、
誰かのものになるんだろう。
その未来が分かっているのに。
それでも、
君が微笑むたび、
心はまた奪われて。
君を好きでいることを、
どうしても、やめられない。
届かないと知りながら、
それでも、君を想ってしまう、
この、ひそかな想いを、
そっと、消してしまえれば、
どれだけ楽だろう。
けれど、今夜もまた。
滲んだ灯りの中で、
ひそかに君を、
想ってしまうんだ。
2/21/2025, 7:14:16 AM