かなで

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日常 


幼馴染へLINEを送り返す、

これが私の就寝前の締め括りだ。   
  

「明日の提出課題はあったか?」だの、 

「英語Aのテスト範囲は教科書ではどこまでだ?」 


毎回、いい加減クラスの誰かに聞くなり、メモれよと思う。 


でも、私がLINEでそれに丁寧に返答しても、 


いつも「既読」しか表示されない。 


 
聞いておいての、この塩対応。 

返信してこないのは何故かと、一度問いただしたけれど 

なんの変化もなかった。 

彼女でも居るのたろうかとも思ったが、そんな素振りはないらしい。 

あったら、すぐに噂は広まる。 

一体、なんなの? 



こっちも思い切って、既読だけの反応にしてみようか。  


 
でも、私にはそれを選択する強い心は持ち合わせていなかった。


もう、高校生になったとたん、LINEでしか繋がりがないのだ。  

表面上では幼馴染。 

中学までは、校内でも放課後でも行き来して、あんなに話していたのに。 

高校では一切しなくなった。

お互い、所属するカテゴリーとフィールドが違い過ぎた。 

あっちはクラブに熱中して周りに囲まれ青春謳歌している。 

こっちは帰宅部で塾通いを強いられているモブに過ぎない。  



いつから、道がかけ離れたのだろう。 



LINE上でいいように使われてる自覚はある。  

返信しているのに、既読で済まされるのが慣れたけれど、

ここ最近じゃあ最後は画面が歪んでしまう。 

それでもあんなLINEでも送られると、

まだ完全に忘れられていないと、どこかで安心する私がいる 

のも、また、事実。  
 


「……なんか、生存確認されてる気分」



 無性に虚しくなった。
 



これから先も同じように繰り返して、埋もれて身動き取れないままの状態でLINE上で繋がったままでいるのか。
 

大学生になってからも? 




これ以上は上手く振る舞えない。 

 


今夜の返信は、少し短めにした。 
 

 

お疲れ様! 

宿題提出は明日はないよ! 

まー、あっても◯◯なら何とかなるでしょ! 

今から手を付けないと。レッスン5から7だよ。
 



 

そして、私はそっとブロックを押して眠りについた。 

 




#日常 (日常には常に分岐点)

6/22/2024, 1:00:31 PM