「明日、もし晴れたら」
「ん?」
「明日、もしも晴れたら、行きたいところがあるんです」
突然そう言う七海の方に顔をやると、明日の晴れ間を見るように、窓の外を眺めていた。
「一緒に行きませんか」
「ななくんからのお誘いなんて…めっずらしい…!」
「行かなくても結構ですが」
「もちろん行きたいよお!?」
「では、任務が無事終わったら」
「あとぉ晴れたら、だよねえ?」
「えぇ」
一度も目を合わせずに決まった予定に、椋は口元が緩んでしまう。
目の合わない体勢だったから、見えていたのだ。
この会話を始める前に、明日の天気予報を調べる七海の携帯電話の画面が。
明日の予報は快晴、降水確率0%である。
【明日、もし晴れたら】
8/1/2024, 2:41:01 PM