忘れたくても忘れられない
ずっと…そう思ってきた
湿った空気が躰に纏わりつく度に
貴女の長い髪が僕の頬にかかって
重ね合う唇が僕の心を揺らした
あの夜を思い出させる
あれから…随分と
時は流れたというのに
まるで昨日のことのように
貴女の温もりが蘇る度に
僕は眠ることができない
忘れたくても忘れられない
ずっと…そう思ってきた
けれどそれは違っていた
忘れられないのではなく
忘れたくないのだと
貴女がどこかで生きている限り
またこの手であの温もりを
確かめるまで…僕は貴女を
忘れたくないんだ
10/17/2024, 1:16:17 PM