冬晴れにする凧あげは、写真映えする稀な情景だ。
公園のベンチに腰掛けていると、 二、三才くらいの男の子が凧を上げようと走っていた。
黒のダウンに白い綿のズボン。おむつをしているらしくおしりは膨らんでいた。
彼は凧を上げるのが下手だった笑
凧を連れてちょこちょこと走り、きゃっきゃと言いながら草むらをぐるぐる回っていた。
上がってないのに楽しそうだった。
そうこうするうちに、見かねてか母親と思わしき人が凧を受け取って代わりに上げていた。
ふわり。
突き抜けるようなウォーターブルーの空には雲が全くなかった。凧糸は空に溶けて見えなくなり、白地に赤で「龍」と書いてある四角い帆が、半球形のパノラマに映えた。
太陽光線が結晶化し、四角の鎖に見える。
一安心した私は、買ってきた肉まんを冷めないうちに食べようと視線を手元に落とした。
ふたつに割ると中から湯気といい匂いがただよう。
ふと顔を上げると、先程の男の子が目の前でこちらを見ている。寒さからか頬が白桃のように赤くなり鼻が垂れていた。
「食べる?」
彼は何も言わずこちらを見つめて指をくわえている。恥ずかしがり屋のようだ。
持っている肉まんを半分差し出すと、奪うように取り、振り返った。
彼は別の凧を引きずっていた。
1/5/2026, 1:10:25 PM