考える葦になりたい鳥

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寒さが身に染みて

身体から体温が抜けていく

身体が氷の結晶みたいになっていく。指の先が尖って、頬は水色のお化粧をしてもらった。
冷たい空気を大きく吸い込み、吐き出す息は魔法の白い煙。その気になれば全てを凍らせることができる。まだ、心臓は温かい。



生きている。

生きているんだ。



目を開けると、そこには穏やかに波打つ海と、雲ひとつない空が広がっている。カモメが、砂浜に足跡を付けて羽を広げる。



涙が零れ落ちて、風に乗ってどこかへ旅に出た。


1/11/2023, 11:15:39 AM