隣のクう

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 身体が浮遊感を覚える。

(何だろう、この感覚)

 ふわふわした、は何だか違うな。ぽわぽわした、も違うな。ましてやふわぽわなんてもっと違う。
 言葉で表すことが存外難しいこの感覚に今から名前を付けようと思う。


『夢と現実』


 人間って、時たま凄いよね。
 夢の中でうつつを抜かしていたら、いつの間にか現実で過ごしているんだよ。これを凄いと言わず、なんと言えば良いのかってね。
 別に、貶してる、馬鹿にしてる、なんて言わないさ。僕は本当に凄いと思ったんだ。純粋に、心の底から。
 だけどさ、僕思うんだ。人間ってそういう現象、というのかな。そういうのに名を付けないよね。僕が知らないだけで、きちんと調べたら名が出てくるのかもしれない。でも僕は調べるとか、探すっていう細かい作業がどうも苦手だからさ。面倒だしね。
 そういうことだから、僕が新たに名付けようと思うんだ。幸いにも、この世界には人っ子一人いやしないみたいだしね。この世界は、僕だけの世界ってこと。ちょっぴり寂しい時もあるけど、それなりに楽しくやってるよ。
 話が逸れたね。
 何の話をしていたんだっけ。

「あぁ、そうそう。名付けだったね」

 何が良いかな。可愛らしい名が良いかな、かっこいい名が良いかな。それとも面白い名が良いかな。

「うーむ、悩むなぁ……」
「じゃあこんなのはどうかな、_____」
「それだとそのまんま過ぎて、ちっとも面白くない。もっとネーミングセンスというのを磨いてから出直してもらおうか」
「ははっ、何年になるやら」



 あれ。僕は今、誰と話してたんだろう。
 

12/5/2023, 4:19:10 AM