「貴方は一体何処を見ていたのですか?」私と話す時も誰かと話している時も、彼は相手の瞳の奥、いやそれよりもっとずっと先を見ているようだった。何を言っても何をしても彼には届かずに空を切るだけ。それなのに、何故か誰よりも世界を謳歌しているようにさえ見えた。瞳はいつも満天の星々を取り込んだ輝きを含んでいた。気づけばそんな彼の瞳に惹き付けられて、目が離せなくなって。交わる事の無い視線を貴方に送り続けて。私は貴方の世界を知りたかった。『すれ違う瞳』
5/4/2025, 11:25:30 AM