同情するなら金をくれ。
小学生のころ、そんな経験をした。
学年は1クラスのみ。
その1クラスでさえ20人にも届かぬ過疎小学校。
くじ引きで引いたのは、最悪の席だった。
「…………」
「……」
「…………」
……3人組。給食の班。流れる沈黙。
喉に給食がつっかえた。
学年有数の問題児二大巨頭と同じ班になったのだ。
うちの小学校はなんせ過疎っていたものだから、まあ、クラス替えすらもなく。親しくする他ないのだが。
のろまな自分が悪いとはいえ…
どちらも他者に攻撃的で、特に私にはあたりが強いものだから関わりたくはなかった。
「うわ、あの班あそこ空気やば……」
「ね……可哀想」
(やっぱそう思うよね!?嫌なの私だけじゃないよね!?
じゃあ代わってくれない!?)
半泣きでほかのクラスメイトに縋るような視線を送る。
しかしながら、まぁ、スルー。この二人に文句をつけるのはこのクラスでは終わりを意味するのだ。
二人の前で「この班、最悪」という一言さえ発しなかったが、生贄に捧げられたような心地だった。
ーー今思うと、素行が悪いとはいえ。
聞こえるところでそんなことを言われていた二人の方がどっちかというと可哀想だったのかもしれない。
テーマ【同情】
(ちなみにこのうちの片方とは、家に遊びに行く程度には仲良くなった)
2/20/2023, 6:12:21 PM