足駄

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お題:遠くの空へ

どこまでが空でどこからが宙なのだろうか。
飛行機という名の鉄と技術の塊に身体を預けながら、窓の外をぼんやりと眺める。
眼下に見える綿雲の先、色の抜けた淡い空も、見つめ続けるとその先に藍色を確かめることができて、不思議なものだと思う。
「僕らは同じ空の下」なんて言うけれど、何もないだだっ広い空間でしかない空に、上も下もないだろう。見つめれば見つめるほど広大で、イヤになるくらい突き抜けたこの空の中、私はちっぽけだ。
こつりと人差し指を窓に当てる。だからあの空の向こう、遠くの宙へ。どこかの星で同じ藍色を見つめている誰かに、機械仕掛けの船から心の中で信号を送るくらいでいいのだ。

4/13/2024, 6:31:30 AM