霧夜

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雨の日の学校で、白い紙に絵を描いた

三角の真ん中に、突き抜けるような一本線を描いて

その線の両側に、それぞれ俺と彼の名前を書いて...

...なんて、どうせ叶うことは無いのに...。


...俺はその日、雨に濡れながら帰路に着いた。

---二作目---

あ、傘忘れた...

バックの中を覗き込みながら、俺は肩を落とした。
いつもは持ち歩いているのに、どうしてこんな時に限って...
溜息を吐きつつ、濡れる覚悟で走り出し出そうとした時

「...ねぇねぇ、どうしたの?」

不意に声を掛けられた。
振り向くと、傘を手に持った君の姿。

「あー、いや、ちょっと傘を忘れちまって...」
「...なら、俺の傘に入っていく?」
「は、はぁ///!?」
「濡れると風邪引くよ?」
「ぅぐっ...じ、じゃあ...い、入れて...くれ...///」
「ふふ、りょーかい♪」

...この時だけは、傘を忘れて
少し良かったと感じてしまった。

#相合傘
333作目

一周年記念まで...あと31日

6/19/2024, 11:37:56 AM