規範に縛られた軟弱根性無し

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夕方の帰宅途中。私は、数え切れない数のカラスに囲まれ、全てのカラスに目を向けられていた。
空、電線、柵、地面、あの真っ黒で何を考えてるかわからない面に全方向からじっと見つめられているのだ。これで恐怖を抱かないやつはいるだろうか。
本来野生動物は本能に従い生きている。だが、あのカラスたちからは明確な殺意を感じた。「食うための殺し」ではなく、「復讐の殺し」だ。
私はあの時、夢中で逃げ出した。全速力で帰宅して、なぜこうなったか理由を考える。興奮状態で、思考能力がどん底だったが、だんだん思い出してきた。
一般常識を蓄えた今ならわかる。私がなぜカラスから殺意を向けられたか。それは、私がカラスを日常的に食べていたから。
もちろんこれは法律に触れる。だから隠れて食べていた。親も知らない。別に空腹だったからとか、貧乏だからとかいう金銭的な理由ではない。単純に美味しかったんだもん。特に目なんか最高だった。焼き魚の目も美味しいけど、カラスの目は比較にならないほど美味しい。まさに雲泥の差。もちろんお肉も美味しい。でもカラスを食べることで何よりも最高だったのは、死に行くカラスの顔を間近で見られるからだ。元々生気が感じられないカラスの目は、死に近づくほど輝いて見えた。そんなカラスが大好きだった。
あの時親にバレていなかったら今でも隠れてカラスを食べていただろう。
思い出しているうちにまた食べたくなってきた。外には先ほどのカラスたちが私が外に出てくるのを今か今かと待ちわびているだろう。早く出迎えてあげないと。なんで忘れていたんだろう。美味しそう。
私カラス大〜好き。おいで、美味しいカラスさん達。顔を見せて?



ちょっと変な話だけど
考えてたらカラスに囲まれるビジョンが湧いた

7/17/2024, 10:48:34 AM