壊 玖 麗 秋 エ ク レ ア

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テーマ:さよならは言わないで

わたしはいつまでも強欲であった
こんなことをつぶやくのは何回目だろうか。
ふわりと冬風が髪をなびかせて、冬の寒さ、つらさを実感させようとしてくるのがひどく分かる
夜空に光る星は綺麗だ。
私は恋人と、あの星が一番きれい、いやいや、あの星が一番きれいに光ってる…なんて戯言をしていたのに、あの子はそれをやぶる。
「ねぇ…実は、私レズじゃないの」 
唐突に嘘をついていたと言うことを告白されて、私のこころの中は困惑でうめつくされる。
「えっ…レズビアンだっていったじゃない…
うそをついたの?」
そう心の内を隠すようにきけば、
「うん…実はレズじゃなくて、バイなの…だから、女の人以外にも好きになれるの…
察しのよくていい子なあなたなら、わかるよね。」
察しのいい、いい子。
一番嫌いだといえる言葉を吐かれた
それだけで、彼女への愛は憎悪へと変換された
「…もういいわ、あなたのこと好きじゃなくなっちゃったから、さよなっ…………」
そう言おうとしたとき、パシンッと手を掴まれた
「…さよならは、言わないで。」
彼女も彼女で、嫌いな言葉を吐かれたらしい。
きっと、きっと、いまの私達ならまだやっていけるはずだ。そうかんじられる言葉だった。
「…まだ、私達やっていけると思うわ。」
そういうと、そうだね、それじゃあさっきの言葉は取り消すね…と彼女は言った。
サヨナラなんて、その時までわからない
サヨナラを言うときは、それ相応の覚悟をもって、言うべきだと彼女のおかげでわかった。
ありがとう、えりちゃん
短編·終

12/3/2022, 11:53:08 AM