この手紙が
あなたに届いてほしいとも、
ずっと届かずにいてほしいとも
思いながら投函する
この言葉が
あなたの心に伝わってほしいとも、
けして伝わらずにいてほしいとも
思いながら告げる
それは恋の臆病から来るものでもあり
それは愛の許容から来るものでもある
それは現実の否定をすることでもあり
それは恐れからの逃避をすることでもある
そして、
それは離別を否認するものでもあるかもしれない
この手紙が返ってきたとき、
そこにはきっと、喪失のみが残されている
「届いて……」
7/9/2025, 10:57:42 PM