"雪の静寂"
ある冬の夜。寒すぎて眠れなかったのでただ起きていた。
こんなに寒いなんて、と毛布にくるまって震えているとベランダに面した窓の外でゆらゆらと揺れて落ちる白いものを見た。
毛布をしっかりと掴んだら窓を開けてみて、その軌道を目で追った。
ベランダに落ちたそれはじゅわっと消えてなくなる。
それに倣ってどんどん降ってくる。手を出してみると、同じように手で消えてなくなり、小さな水滴になった。
儚い姿とは裏腹に、冷たく手の温度を奪う。
びっくりしてぱたぱたと手を払って温める。
白い息と共に数年振りに降るそれを見て、感嘆する。
明日の朝は積もるかな
と期待を込めて、冷える体を慮って眠る支度をした。
相変わらず寒くって、加えて静寂に包まれた夜だったけれど、まるで子供のように心が弾ませて眠りについた。
12/17/2025, 11:17:39 AM