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 びゅうっと風が唸りをあげて落ち葉たちを宙にさらう。
 風は冷たく頬を刺し、隣にいる彼女も寒いと身を震わせていたはずが、面白いよと正面を指差した。

 巻い上がった赤い紅葉に黄色のいちょう、茶色い葉っぱがゆらゆらと地面に着地していく。暖色でまとめられた葉っぱたちのダンスは温かく映る。

「立って見ているだけだと凍えそうだ。俺達も踊ろうよ」

 また風が唸りをあげて
 葉っぱと、彼女のスカートが舞い上がる。

『木枯らし』と踊る。

1/17/2023, 3:51:04 PM