かたいなか

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「魔法瓶、掛け算の魔法陣、原子核物理学で言えば魔法数とか魔法核。シミ抜きとかの洗濯系なら、魔法水ってのもあるらしい。
けっこう現実世界に存在するのな。『魔法』」
まぁ、事実、俺も世話になってるわな。
某所在住物書きはいわゆる「魔法瓶」から、温かい茶をトポポ、タパパ。カップに注いでいる。

魔法の◯らんどに関しては何とも言えない。
この物書きは森頁の派閥であった。
◯年前の黒歴史である。

「魔法核か」
物書きは「魔法」の検索結果を、その1点を見た。
「この言葉で、物理学用語か……」
ところで厨二とチートと魔法の違いは?

――――――

前回投稿分からの続き物。この3連休のおはなしです。都内某所のおはなしです。
不思議な稲荷の餅売り子狐が、餅巾着の納入先から5千円札のお駄賃を貰いまして、
近所のキッチンカーイベントで美味しいものを堪能すべく、人間に化けて潜り込みました。

「コンちゃん、チケット盗まれちゃダメだよぉ!」
子狐と一緒にイベント巡回のタッグを組むのは、
子狐が「子狐」であることを知りつつお餅を買ってくれる、人間の常連さん。
ビジネスネームを、ドワーフホトといいます。
子狐にとっては、お化粧が上手なお姉さんです。
「迷子にならないようにー、ちゃんと手を繋いで」

ドワーフホトも子狐も、美味しいものがとっても大好きな、食いしん坊!
お互いがお互いに、食べたいものをダブらぬよう、
キッチンカーで頼んでチケットを払って、
一緒に、分け合って楽しむ魂胆です。

「だいじょぶだよ」
くっくぅくぅ、くっくーくぅ。
コンコン子狐、鼻歌うたってドワーフホトの、左手をしっかり掴みます。
「キツネから、チケットぬすむやつは、
みんな、みんな、みぃーんな!たたってやるもん」
さすが稲荷の御狐様。言うことが物騒です。
でもこれじゃあ、「祟り」であって「魔法」ではないので、そろそろお題回収に入りましょう。

「あら。いらっしゃい」
まず子狐とドワーフホトは、シックでレトロなキッチンカーに立ち寄りました。
そこでは、本物の魔女が切り盛りしている喫茶店の店長さんが、魔法の大釜にくつくつビーフシチューを入れて、弱火で煮込んでおりました。
「今日はね、お手伝いさんを雇っているの。
料理、初めてなんですって。包丁も持った経験無いらしいの。もうカワイイのなんのって」

俺だってナイフくらい持ったことはある。
厨房からなにやら、ドワーフホトにも子狐にも、聞き覚えのある男声がします。
1人と1匹は相談して、子狐のチケット1枚で、まず魔法の大釜からビーフシチューを貰いました。

「おお!ホトじゃねぇの。一番人気買ってくか?」
次に子狐とドワーフホトは、ミカンと猫の模様が可愛らしいキッチンカーに立ち寄りました。
そこでは、水晶の文旦が美しく、魔法のように輝いて、周囲を優しく暖かくしておりました。
「いや、実はな、俺様の宝物の日向夏の、新しいチカラを試してみようと思ってだな」

水晶文旦と日向夏を接続して、このキッチンカーに繋いでだな云々、そしたら見事にかんぬん……
どうやらこのキッチンカー、ドワーフホトの友達が出店していた様子。
1人と1匹は相談して、ドワーフホトのチケット2枚で、「先代のお食べんとう」と「先代の味噌汁セット」を貰いました。

「待ってたよ!とりおき、しといたよ!」
そして子狐とドワーフホトは、抹茶とあんこみたいなラッピングのキッチンカーに立ち寄りました。
そこでは、子狐の友達の化け子狸が、人間に化けて実家の和菓子屋さんのお手伝いをしておりました。
「来ると思ってたんだ。やっぱり来た。
はい!焼きたて、できたての、お団子セット!
数量限定のオリジナル魔法瓶カップ付き!」

丁度甘いものが足りないと思ってたんだ!
子狐とドワーフホトは即決です。
1人と1匹は相談もなく、子狐のチケット1枚とドワーフホトのチケット1枚で、
魔法瓶カップ付きのお団子セット、しょっぱセレクションと甘セレクションを1個ずつ貰いました。

「コンちゃん。次、どこ行こっかぁ」
甘いもの、しょっぱいもの、あたたかいもの。
美味しい魔法をどっさり持って、ドワーフホトがにっこり、子狐に笑います。
「ひとまず、たべる!」
甘いもの、しょっぱいもの、あたたかいもの。
幸せな魔法をたっぷり抱えて、子狐もにっこり、ドワーフホトに笑います。

そうだね。いったん、食べちゃおう。
1人と1匹のキッチンカーめぐりは、一旦休憩。
互いに貰ったものを持ち寄って、コレちょうだい、アレあげる、ソレおいしいよと幸福に、
魔法のような時間を、共有しましたとさ。

2/24/2025, 4:46:27 AM