つくづく自分は幸せ者だと思う。
あたたかい家があり、くるまれる布団があり、明日が来ることを当然のように眠りにつく。
当たり前の日々を無事締めくくることができたのだと、布団に入った時にしみじみと感じる。こんなに有難いことは他にない。
若い頃、特に幼い頃は夜一人で寝るのが怖かった。
本当に明日が来るか不安だったし、明日が来てしまうことにも恐れていた。自分の人生にどこか定められているものがあるのだと感じていたからだろう。酷く心細かった。
今もその時の恐怖を思い出すけれど、昔ほど寂しく感じることはなくなった。
それはきっと、孤独だと感じていた夜の世界に、あなたが一緒に寝てくれるからかもしれない。
だから眠りにつく前、私は酷く幸せ者だと思うのだ。
お題/眠りにつく前に
11/3/2024, 3:16:13 AM