どうか、僕を置いていかないで。
蘇る過去の記憶はきっと──。
僕の相棒が亡くなってしまった。
女の子が車に轢かれそうになったところを助ける為に飛び出して守ったらしい。
「お前らしいな」
今日は相棒が亡くなってから1年だった。僕は追悼した。
その時、うっすらとお前の姿が見えた気がする。
「俺が死ぬわけないじゃん!」
そう言ってくれれば、どれだけ良かったか。
僕が何度も夢見た景色だ。
「…薄情だな」
うっすらと笑みを浮かべたが、この頃には後悔と薄寂とで雁字搦めになっていた。
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お題:行かないで
10/24/2024, 9:59:42 PM