不完全な僕
どんな事があっても守れるように力を手に入れた。
死ぬことがなく永遠に生きれるように体を捨てた。
どんな予測もできるように脳にCPUを搭載した。
感情に振り回されないように心を消した。
僕はより完全な生き物になるために今の人間が欲しいであろうものを全部搭載した。
おかげで災害に会った人を守れた。
愛する人を最後まで見届けれた。
突然の出来事にも対応出来た。
常に平常心でいれるようになった。
俺は完璧だ!完全体だ!
私は人の理想だ!
...違うよ。
どこからともなく声が聞こえた。
誰だ?
君が消した心だ。
今更何の用だ?
君は完全体じゃない。
力に嫉妬しているのだろう。
聞く耳を持たずに無視していると、強い声が聞こえた。
「君は...人の心を失った。人の体を失った。人であることを辞めたんだ。君は...不完全だ。」
消したはずの感情にもやがかかる。
僕は...俺は...私は...どうすれば良かったんだ。
語り部シルヴァ
8/31/2024, 1:55:57 PM