こけし

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時と自分

いつも不思議に思うことがある。それは、時間の感覚。例えば、好きなことをしたり楽しいこと、嫌なことをしたり苦しいことをするそれぞれの時間。長く感じたり短く感じたり。

「校外学習楽しみだなぁ、ね、よかったら一緒に回ろうー」
「一緒に行こ!私も一緒に回りたいて思ってたんだ!!」

こんなやりとり、もうやりたくない。自分一人のほうが落ち着くし。そのように思い始めたのはいつの頃からだろう。

「ねえ、〇〇!どこの部活に入るの??」
そう聞かれた。多分、あの子は友達という関係だった。
「私は美術部に入ろうかな、絵を描きたいから。」
「えー、美術部?美術部よりも演劇部のほうがいいでしょ。」
「いいえ、私は絵を描きたいから、美術部に入ります。」
「そっかぁ、なら私も美術部入る。」
驚いた。演劇部に入部するんじゃないのか、それほどやりたいわけではないのか。そう思った。

入部後
「〇〇、絵上手なんだねーすごい、私なんか全然描けないや。」
「いやいや、私もプロ並みに上手いわけないし、気にすることないよ。」
「んー、この絵ダメだ、捨てよ。」
その子は絵を完成させるごとに、気に入らないのか何度も捨てていた。もったいない。絵を上達させたいのなら保管しておいたほうが効率いいのに。
数週間後
「ねー、〇〇、この部分描いてよ」
そう頼まれた。正直乗り気じゃなかった。自分の絵は自分で完成させるべきなのに。
「わかった、どう描けばいいの?」
 
このようなやり取りが3年も続き、共同制作もこの子と行った。結果はもう最悪だった。途中ですべて任せられた。仕上げももちろん私だ。あぁ、自分がやりたくて入部したのになぜ、あの子のために絵を描かなければならないんだろう。
時間を無駄にした気がした。3年間。


2/6/2024, 11:11:34 AM