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「仲間」


いつも一緒に遊んでたあの子達。
ちょっとした諍いで、次の日からは私だけがあの子達の敵になったらしい。

無視、悪口、空気扱い。
よくもまぁ、こんな幼稚園児みたいな、拙い、馬鹿らしい事を思いつくな、って思うような嫌がらせ。

昨日までは仲間だと思ってたのに、どうして?
辛くて、悲しくて、悔しくて。
でも、一人でご飯食べてる所とかも誰にも見られたくなくて。校舎の陰で一人でこっそりと泣いてた。

「どしたん?」不意に声をかけられて。
話した事のないクラスメイト。
誰とでもそれなりには喋るけど、誰とも仲良くはない、あの子。
教師受けは、良いか悪いかの二択で、良くも悪くも目立ってる、あの子。
いつもマイペースで、人の視線なんか怖くない、って顔して、いつも堂々としてる、あの子。

何も言えない私。
あの子は黙って横に並んで。
「まぁ、何となく状況は掴めてるけど······」
「無理には話さなくていいよ?ただ、話したくなったら、私で良ければ話聞くし?」
「でも、とりあえずこれだけは、私が言いたい!!」

「あいつら、あんたの仲間でも友達でもないと思うよ?そんな奴らの為に傷付くの、勿体なくね?馬鹿らしくね?私、ツルまないと動けん奴ら大嫌い。」
「良かったやん、これであの子らと縁切れたと思ったら、ラッキーだよ?世の中には縁切り寺とかまで行って縁切ってる人もいるらしいのに、向こうから悪縁切ってくれたやん。超ラッキーやと思うけど。」

ぶっきらぼうだし、口も悪いけど、慰めようとしてくれてるの?って思ったけど。
でも、違う。
いや、違わないけど、多分慰めようとかより、多分この子普通に本音話してるだけだわ。って気付いたら、思わず笑っちゃった。

これが、私とこの先一生の友達に、仲間になる、あの子との始まりだった。
あの時の事、ホントに嬉しかった。
ありがとう。

12/10/2024, 11:13:33 AM