「平行世界というものが存在していて、似ているけど何かが少し違うんだ。」友人がしたり顔で俺に言う。
「今からする選択の数だけ枝分かれした世界が増えて行く。それがパラレルワールドっていうんだってさ。」。
「だってさ、ということはお前はそれを誰かに聞いたのか?」と俺が尋ねると、「ああ、お前からだ。」と何事もないように答えた。
「え?」と不思議がる俺に、友人は続けた。「それから、明日この話を俺に伝えて欲しい。何も知らない俺に。」と頼んできた。
唖然とする俺にまた彼は言った。「俺は今からお前にこの話をしに行かないといけない。」
言葉の意味が全く分からず、どういう意味かを執拗に尋ねたが、彼は先ほどと同じ話を繰り返すばかりだった。何度も繰り返した結果俺は辟易とし、怒気を込めて彼に言った。
「これじゃいつまでも平行線だ!」
彼は破顔して、嬉しそうに言った。「やっとわかってくれたんだな!」
9/25/2025, 2:48:59 PM