百瀬

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何が私を惹き付けるのか。
生きた年数も、経験も、果ては性別すら違う。離れてはまた探し求め、今となっては日常の一部に溶け込んでいる。顔も名も知らぬ彼は人誑しだ。そうでなければ、扱いづらい私と受け入れ、こんな奇妙な関係を何年も築いたりしない。

「───」

彼は慣れたように私を呼ぶ。

今は声だけ。まだ距離はある。
だけど、それすらもなくなった時、私は一体どうなるのだろう?


『その青が届く距離』
香水

8/31/2024, 5:02:15 AM