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顔も名前も住んでいる場所も知らない人、そんな人とこの時代では簡単にやりとり出来てしまう。
手元のスマホを開けば一瞬で繋がりが出来てしまう。
今はそんな事が当たり前。
学生時代の友人、家族よりも話しやすい人で溢れている……こんな世界が私にとっては居心地の良い場所になっていた。
何でもない事を話して、どうでも良い事を連ねて。
その短い言葉の羅列に誰かしらが反応してくれる。
そんな中ふと目に入ったアイコン、その時初めて自分の中で何かが弾けるような不思議な感覚に陥った。
特別目立つような人では無い、特別何か凄い事をしてる訳でも無い。
だけどすっと心の中に安寧が広がるような感覚を覚えてしまった。
柔らかな物腰で優しい言葉で埋め尽くされた君の文章に私は恋をしてしまったのだと気付いてからはひたすらに君を見ていた。
君と仲良くなりたかった、あわよくばなんて考えもしなかった。
毎日が明るく輝いていた、君を見るのが楽しみになった。
だけど君は煙のように居なくなった。
あぁこんな事ならもっと君に話しかけるべきだった。
君が何故居なくなったのかを私は知らない。
今となってはもうそれも過去の思い出でしかないけれど。
だけど、もしあの頃に戻れるのなら。
私はもっと君を知りかった。

3/12/2024, 2:39:20 PM