こんな夢を見た 逆光_26
僕は 君に対して
罪を犯したと言うのだろう。
取るものも取れない。
それは僕にとって一番辛かった。
目を閉じれば
君の横顔や背中が 青く浮ぶのだが
どうも手が届かない。
背景は眩しい白色だった。
君を縁取る青さが
これ以上は濃くなれないのだと悟った時
ついに君が僕の夢に訪れ始めた。
だから もう良いんだって思った。
僕はまず君と手を繋いだ。
何も話さない君にも 胸の高鳴りは増した。
僕は次に君にキスをした。
そして めちゃくちゃにしたんだ。
どうしようもなく 我慢できなかったから。
でも 抵抗しなかった君も悪い。
だって僕は
「嫌だったら殴っていいし何か示してくれ」
と言っておいた。
だが もう遅かったみたいだ。
死人に口なし とは言うが
死人に耳なし とは言わないじゃないか。
僕は 冷たく残る君のうなじに
二度目のキスをした。
そして
君が一番に輝けない世界が
二度と来ないように
部屋のカーテンを全て 閉めきった。
1/24/2024, 2:17:44 PM