さみしさ、悲しみ、憂鬱以外の言葉で雨を語りたい。
雨の日のカフェ。図書室。リビング。
思えば雨というのは、室内で過ごす私たちを正当化してくれる。外の世界に関係なく、私は自分の時間がある。
安心するのは、その事実に向き合えるからでしょうか。
でも、雨の日にわざわざ外に出るのだって素敵だ。
世界に抗ってる感じがする。
傘を持ってない「大切さん」に、そっと傘を差し出して相合傘をする。青春ですね、それも。
実は一方がこっそり鞄に折り畳み傘を入れてても、二人とも長傘を持ってても素敵です。ただ近くにいたいからという理由で、お互いに少しずつ濡れることを選ぶなら
きっとその冷たさも愛せるね。
でもどうか、それだけを優しさとは呼ばないで下さい。
傘を持ってない人の隣に立って、自分の傘を閉じて一緒にびしょ濡れになって歩く。そういうあたたかさを、
私はもっと素敵だと思うよ。傘は「差し出した」時点で
相手とは平等でなくなってしまうから。
雨天中止のイベント、低気圧による酷い頭痛、つんざくような雷の音、纏わりつくような重たい湿気、水気を
吸う新しく買ったお気に入りの服。
雨を嫌いになる理由は充分過ぎるほどにあるね。
普段よりも世界が狭くて、人口密度が高くて、空間に
閉じ込められちゃうからこそ、独りだとよっぽど辛い。
このままずっと雨が降り止まなければいい。
そう思えるほど、近くにいることが心地よい相手。
そんな人に出会えるといいな。それならきっと、
虹だっていらないのに。
#24 降り止まない雨
5/26/2024, 8:08:09 AM