子供の頃は、何にだってなれると思っていた。
怪獣から街を守る英雄。
お姫様を助ける王子様。
世界を救う勇者。
万能の魔法使い。
なんなら、神様にだって。
大人になって、それは叶わぬ夢だと思い知った。
怪獣もお姫様もいない。魔法なんて使えない。神様はいない。
だけど。
「ありがと、おまわりたん!」
交番に届けられた落とし物のぬいぐるみを受け取って、満面の笑みで手を振り、母親と一緒に帰ってゆく女の子。
あの子にとって、僕はヒーローに見えているかな。
2025/03/17 叶わぬ夢
3/17/2025, 10:08:15 AM