夢見る心
夢を見ていた―
「あなたが失ったものはなんですか?」
「夢見る心…です。」
なぜだろうか。答え直ぐにでてきた
その答えには、はなまるがつけられる程
正しく在った。
空を飛びたい ヒーローになりたい
よく唱えたものだでもそんなものないと
知った そして諦める
なぜ、諦めるのが運命なんだろう
ふと。そう思った。
「あなたは今自らの運命に疑問をいだいて
いますね。私はみゆきと言います。
運命売りの少女です」
「運命売り?」
「はい。ここでは、好きな運命を買うことが
出来ます」
「好きな運命!?」
「人の夢の中で運命を売っています。
代償はお金ではありません。ここに来た記憶を
いただきます。そして運命を買うともう一度
ここにはこれません。」
「じゃあ、諦める運命がない。そんな運命は
ありますか?」
「はい。あります。買える運命はお一つだけ
ですが、細かい運命の違いがあります」
「夢見る心を持つ運命はありますか!」
「あります。夢見る運命」
「それをください!」
「よい定めが訪れますように」
夢見る心を手に入れた俺は、この世界で
一人となった。気味悪がってだれも近づかない
でも、俺は幸せだ
「夢見る心は大人になるにつれて不気味と
化してしまいます。ですが、人など関係
ありませんね。自分が幸せと感じるのであれば
夢見る心を魂に宿して静寂な幸福を楽しみ
ましょう。改めてお買い上げありがとう
ございました。次はあなたの番ですよ―」
4/16/2024, 10:15:53 AM