ふとした事で思い出す。
酷く懐かしい、優しい色。
社会人になってそこそこ経ったはずなのに、色褪せない学生の色。
教室を照り付ける陽気に、響く笑い声。
ノートに書かれた落書きに、偉人に書いた落書き。
それを見て笑う、友人に、私。
帰りたいと思った。
私は、大人になんてなりたくなかった。
ずっと、穏やかで、好きな人と飽きるほど居られるあの日々が、居心地が良かった。
でもそれは、当たり前に過ぎないことで。
その日々はあの頃にとっての、当たり前で。
当たり前を失ってから気づく。
足元の土がとても大切なことに感謝しないように、私もまた、ごく当たり前の日々に感謝をしなかった。
このことを酷く後悔している。
5/30/2024, 4:30:52 PM