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Special day 飛べ 今を生きる です。
書けてないお題は早めに出せるようにします。

Special day

「ただいま」
今日は、キミと暮らすようになって、半年の記念日。ささやかだけどお祝いしたくて、小さなホールケーキを買って来た。
「おかえり」
エプロンを着けたままのキミは、いつものように、僕を笑顔で迎えてくれる。
「はい、これ」
持っていたケーキの箱をキミに差し出すと
「ありがとう。ケーキ買って来てくれたんだ」
キミはうれしそうに笑う。
「今日はSpecial dayだからね」
「Special day?」
「うん。一緒に暮らし始めて、今日で半年だから」
「…そっか、半年経つんだね」
感慨深そうにするキミに
「記念日とか、気にしないの?」
と、聞いてみると
「大好きなあなたと一緒にいられる。それだけで、私にとっては毎日がSpecial dayなの。だから、気にならなかった」
あはは。と笑うキミを見て、今年中にプロポーズしようと決めたのだった。


飛べ

一歩一歩、少しずつでも確実に…。
石橋を叩いて渡るように、ここまで歩いて来た。
辛い思いや、悲しい思いをしないように、そうっとそっと。
けど、僕は出会ってしまった。僕とは違い、傷ついたり、失敗することを恐れず、前へ前へと進む奴に。
「…恐くないの?」
そう聞いた僕に
「恐がって逃げてたら、楽しいことにも出会えないし、失敗したときの悔しさもわかんねえだろ」
彼はニッと笑って答える。
「お前もさ、そんなに下ばっか向いてねえで、ビビらずに飛べよ。見たことねえ景色が見えるから」
「でも…」
今までにしたことがないことをする。恐がる僕に
「仕方ねえなぁ。俺がついててやるよ」
彼は手を差し伸べる。
性格の違う彼と僕。
彼の手を取ったときから、僕たちは友だちになった。
「悪い、遅れた」
「いいよ。行こ」
今でも新しい景色を見せてくれる彼と、休日を一緒に過ごすのだった。


今を生きる

「来年は、良いこといっぱいの年になるといいな」
今年は良いことがなかったなあ。とボヤくキミ。
「そんなに、良いことなかったの?」
「なかったよ~。仕事でミスしたり、体調を崩すことが多かったり」
はぁ。とため息を吐き肩を落とす。
「そっかあ。でもさ、どんなに辛くても、イヤなことばっかでも、今を生きるしかないじゃん」
ポンと肩を叩くと
「そうだけどさぁ」
キミは不満そうな顔で僕を見つめる。
「僕で良ければ連絡してよ。気晴らしとか付き合うから」
「え、ホント?」
「うん。都合が合えばだけどね」
「ありがとう」
ガバっと抱きつかれ、思わず目を白黒させる。
キミに片思いしている僕の胸は、ドキドキとうるさく騒ぐのだった。

7/24/2025, 9:21:39 AM