思惟

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「ぬるい炭酸と無口な君」


学校の帰り
神社の境内
セミの鳴き声がすごかった
でも君はいつまでも唇を噛み締め
何か言うのを恐れているようだった
私はというと
そんな君を横目で盗み見ながら
手の中にある炭酸水がぬるくなっていくのを感じていた

別れようって話だったんだよね
他に好きな人ができたって言いたいんだよね
私は友達から”そうらしいよ”って聞いていたから
薄々感じてはいたけど
自分から真実を聞くのが怖くて
今日という日を迎えてしまった

君の口から聞くのは怖いけど
自分の口からはっきりさせる気もない私は
この状況がいつまで続くのだろうと
ふとそんなことを思っていた

8/3/2025, 5:57:01 PM