ささほ(小説の冒頭しか書けない病

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病室

休める。休んでいいのだということがまず信じられなかった。ご飯を作らなくていいのだ。皿を洗わなくていいのだ。掃除もしなくていい。働かなくていい。むしろ働くと怒られる、それが私にとってはじめての病室であった。でも病室はつまらなくて私はすぐに退屈して働きたくなった。まだ病んでいる私は病室で寝ている。これは休暇なんだろう。隣のベッドの人が夜中に呻いていてびっくりしたけど、それでも休暇なんだと思う。なるべく休暇を楽しみたい。明日からなにをしようかな。なんて思いながら私はジュール・ヴェルヌの『二年間の休暇』という本を思い出す。そうよ、休暇は冒険なんだよ。明日からホント何しよっかなぁ。とりあえず図書室いこう。

8/2/2024, 10:51:36 AM