月下の胡蝶

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お題《きらめき》


「刹那も永遠も儚いものだが。――そうだな……それでも願わずにいられないから、困るな」



それは胸の奥にゆらめくきらめき。




――言葉の中に、雨が降ってるみたい。


表情からは何も感じられないのに、言葉の中には雨がたくさん降っている。

雨の言の葉が、胸を濡らして苦しい。



「だいじょうぶだよ。私、強いから。あなたを絶対ひとりになんてさせないから」



これは誓いだ。




紫水晶の瞳が大きく見開かれる。驚きと戸惑いと――様々な感情を孕んだ瞳の奥、炎がゆれた。





9/4/2022, 10:47:53 AM