木枯らし耳の聞こえない私に、彼女はピアノを弾いてくれる。彼女のすぐ傍に座ると、響く音がわずかに振動として心を揺らしてくる。真剣な横顔と、激しい指遣い。今日の楽譜はショパンの『木枯らし』くるくると目まぐるしい動きの右手がまるで風にもてあそばれる枯葉のようで。それを選曲した彼女を、私は見つめることしかできなかった。木枯らしのように吹き荒ぶ彼女の心を。
1/17/2026, 2:12:51 PM