しゅら

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星空

 帰宅の道すがら、コンビニでゴミ袋を買いました。市の指定の袋じゃない、真っ黒なビニールのゴミ袋。
 自宅に帰り、ゴミ袋を一つ引っ張り出し、ベットに寝転びます。マットレスの沈み込みは私の気分を映しているのか、はたまた私を慰めているのか。
 ゴミ袋を被り、「うー」とか「あー」とか呻いてみます。私だけの真っ暗闇は、私の全てを飲み込むようでした。
 ヘアピンを外し、袋に一つ、穴を開けます。プツ、と私の世界が壊れる音。キラキラ輝く私だけのお星様。
 その周りに一つ、また一つと穴を開ければ私だけの素敵な夜空の出来上がり。
 星々にそっと手を伸ばし、指で穴を広げていくと、光はどんどん強くなります。
 やがて蛹を破る蝶のように羽を広げ、私は星空の向こうへと帰るのでした。

7/5/2024, 3:27:01 PM