『哀愁をそそる』2023.11.04
焚火の前で、美味そうにウィスキーを飲んでいるその背中。バーベキューを楽しんで、腹いっぱいになって、カメラも回っていないので、みんな好き勝手に過ごしている。
ただ、彼だけは焚火の世話をしている。
我がリーダーは、アラフォーと呼ばれる年齢になっている。自由すぎる俺たちをまとめてくれて、頼りになる人。
家には奥さんと元気な男の子が二人、そして生まれたばかりの女の子が一人。
家庭に入ると、頼れるパパとなって家族を支えている。
外でも家でも頼れる人でいる彼は、疲れることはないのだろうか。
こうして、一人で酒を飲みながらのんびりしている、その背中から哀愁をそそられる。
もし、彼がいなくなったらどうなってしまうのだろう。
きっと俺たちはうまくいかなくなって、空中分解してしまうかもしれない。それを考えると急に寂しくなってきた。寂しくなってきたどこではない。涙が溢れてきた。
我慢できなくなって、その背中に抱き着く。彼は驚いたような声を上げて、危ないだろと怒ってきた。
「俺ら、なまらいい子にしてるからずっと一緒にいてくれ!」
「おい、この酔っぱらいをなんとかしろ!」
迷惑そうにされるが、そんなこと関係ない。彼がいないと、俺たちはダメなのだ。
その証拠に最年少の彼も、同じように抱き着いて、ずっと一緒にいてほしいと泣いている。他の三人は、俺たちのことなんてそっちのけだ。
スタッフたちだけはおかしそうに笑ってて、カメラを回している。ひどい、俺たちは真面目なのに!
というようなことがあったのだと、オンエアで知った。
酔っぱらっていて、なにも覚えていない。
11/4/2023, 10:55:59 AM