【雨に佇む】待っていた。篠突く雨の中で、あなたの帰りを待っていた。傘もささず、暖かい雨に打たれながら。頭上には灰色の分厚い雲が、まるで私の心のように立ち止まっている。雨は私を慰めることなどなく、体の表面を流れ落ちていくだけだ。睫毛に雫が溜まっては零れ落ちた。足元に出来た大きな水溜りは雨だろうか、それとも涙だろうか。あなたは今日も帰らない。
8/27/2024, 10:42:19 AM