Saco

Open App

誰よりも、ずっとの続き

届かぬ想い

親友が目を丸くして固まっている。

「何故だ!! 何故あんなに勉強したのに
一位じゃ無い!!」

「いや....僕も一緒に勉強したし....」
と僕はやんわりとツッコム

「だったらスタート地点は一緒のはず
なのに何故だ 何故俺はお前に勝てない」

「何故でしょうね....不思議 不思議...」
僕はだんだんとツッコムのも面倒くさく
なって来た。

僕は周りに視線を配る。
クラスのみんなが僕達を中心に視線を
注いでいた。
いや訂正しよう正確には僕達にでは無く
親友に視線を注いでいた。

何故なら今日の親友はいつもの分厚い
レンズの眼鏡では無く
コンタクトレンズにしているからだ

僕はうおおぉっと唸っている親友を横目に
内心でため息を吐いた。

(だから...勿体ないってば....)

そうして僕は何度も言っている事を
親友に忠言する。

「あのね....毎回言ってるけど君には
君の僕には僕の得意不得意があるんだから
僕にばっかこだわって無いで君は
もっと視野を広げてそうすれば
バラ色の人生が待ってるから
他の人にも目を向けてそうすれば幸福な
人生が....」

「よし来週の中間テストでも勝負だ!!」

(聞いちゃいない....)

そうして内心では無く本当に僕は
ため息を吐いた。

僕は親友には心の底から幸せになって貰いたいのに

何故僕の言葉は親友の耳に通ら無いのだろう....

「そうと決まれば帰って勉強だ
ほら行くぞお前も俺と一緒に勉強しろ
スタート地点は同じにしないとフェア
じゃないその上で俺はお前に勝つ!!」
と親友は俺に手招きして走り出した。

「早くしろ何してる!!」
親友の大声が聞こえる

「あ~はいはい今行くよ!!」
こうして今日も僕の想いは親友には
届かないのだった....。

4/16/2024, 5:12:30 AM