【静寂の中心で】
今日は
図書室の鍵閉め担当の日
ある男に出会ってしまった。
「………」
『えぇーと?この言葉の意味ー?』
俺は図書室の扉を閉めようか
閉めないかで悩み
その場で佇んでしまった。
早く帰れるんじゃね?っと
思ってしまった自分に
頬を叩きたい。
『んぉ?お前何年?』
「………」
『無視ですかーい!』
「はぁぁ…」
『ちな、俺2年~!』
その質問を仮に繰り返されると
厄介なので
すかさず、2と指で表した。
『お!乗り気じゃーん!
ピース!ピース!!』
「は?」
俺はその人の顔と
自分の手を交互にみた。
すぐ、手を降ろし
一言だけ放った。
「早く帰りたいから
他の場所で勉強してくれる?」
『わりぃ!国語辞典で
勉強してるから
もうちょっとかかるわ!sorry~!!』
「国語辞典…?」
『しず…さび??』
「?」
『あ?よく分かんねぇー!!
携帯…携帯…?あ…教室だ…』
ずっとソイツを見ていたのが
つかの間、顔はみるみる
近づいてくのを感じた。
『なぁ!これ!!なんて読むんだ!
読めねぇーと調べらんねぇーから!』
男がプリントを指を指した。
「せいじゃく。 (静寂)」
『サンキュ!!助かった!!
んでぇー?意味はっと…』
「静かで寂しいこと、またはその様子を指す言葉。」
『!?』
『お前意味まで知ってんのかよ!!』
「早く帰りな」
強く突き放した。
だが、上手くはいかない。
『すげぇ!俺もスラスラ~っと!
意味とか言ってみてぇ!!』
声がデカイ。ただデカすぎる。
『静寂って、まるで…お前みたい!』
カチンときた。
「ど…どうせ」
『悪口じゃねーよ!?』
『冷静沈着ぽくて…静かそうで…』
「?」
『とにかく!!凄く!!
繊細だってことだ!!』
「???」
期待した物語とは裏腹で
コイツの発言には
大バカという分岐点が発生した。
「やっぱり悪口じゃん」
『っつ!ちげー!!』
『なんというか…その!
お前の本を読んでる姿が
とても!綺麗だってこと!!!』
「嫌味か?俺は男だし
こんな大声な男は嫌いな分類だ」
『育ち良さそうな環境に
育ってるお前に一目惚れをしたんだ!!』
「は?」
『俺は…母ちゃんがいねぇーし
だから、全ての基本とか
知らずに生きてきた。』
なるほど。そういうことか
だから一目惚れか。
「俺でよければ
基本という名の生活教えてやろうか?」
嫌味っぽく聞こえそうだが
俺には優しい言葉辞典がない。
『サンキューな!!
俺!2年E組の坂口!!』
「俺は2年A組 高橋。」
『え!同級生!?』
「帰るぞ。」
『どこ行くんだ?』
「スーパーのSALEを狙うんだ」
『おぉ!!これが生活!!』
俺は静かに図書室の鍵を閉めた。
お久しぶりです!
最近、寝落ちが多くて
投稿できなかったですww
小説って頭使って
眠くなるんすよね~😴
10/7/2025, 10:55:06 AM